• SPORTS CROWD ロゴ
  • - アスリートの練習法や、日々のトレーニング、栄養・医療など専門家の知識を集めた、スポーツの新しい楽しみ方を提供する 【スポーツ横断型WEBメディア】 -

  • スポーツクラウド【スポーツ横断型WEBメディア】
  1. HOME
  2. 情報
  3. コラム

ファンクショナルトレーニングとは?本場の理論と解説

  • 投稿者:佐々木優一BOC認定トレーナ

ファンクショナルトレーニングとは?本場の理論と解説
<スポーツクラウド直営>走りのプライベート指導はコチラ

ファンクショナルトレーニングとは?本場の理論と解説

こんにちは、PRPの佐々木です。
今回は、日本の皆さんに”本物”のファンクショナルトレーニングとはどういったものなのか紹介していきます。

日本でもファンクショナルトレーニングが流行ってきていますが、大体の人は間違ったやり方で理解してしまっています。
ファンクショナルトレーニングとは別に不安定な場所に立ってボール投げたり、スクアットをしたりするものではありません!
それはサーカスです!


ファンクショナルトレーニングとは
”怪我をするリスクを最低限にして、しなくてもいい無駄な怪我を未然に防ぎ、パフォーマンスアップのみを考えたトレーニング”
です。
そして、その最初の過程としてコレクティブ・エクササイズやアスレティックトレーナーや理学療法士からジョイント・モビライゼーションやARTなどの手技を受けて”動きの質”を上げていくことを目的としています。
なので動きの質の上がり具合によってどんどんパフォーマンスアップを目的としたストレングストレーニングをしていけばいいんです。

例えば、画像のようなデッドリフトは最高のファンクショナルトレーニングの一つです!


このファンクショナルトレーニングを支える考えの一つが”Risk&Reward”です。

Risk=日本語でもおなじみリスクです。
つまり、エクササイズによるマイナスな効果ということです。
明らかな関節の可動性・安定性・モーターコントロールの問題を無視して怪我の要因をさらに助長してしまったり、実際に怪我をしてしまったりと大事な選手の大切な時間を無駄にしてしまう結果になります。

Reward=トレーニングのポジティブ・プラスの効果ということです。
しっかりと選手の体の問題を理解して、正しい種目を選んだ時にはパフォーマンスアップだけが起こります。

つまり、ファンクショナルトレーニングにおいては
”ハイリスク・ハイリターン”
ではなく、
”ローリスク・ハイリターン”
を目的とします。
当たり前のように見えますが、非常に多くのトレーナーやストレングスコーチが選手の可動性・安定性・モーターコントロールの問題を理解せずこれらを行っています。
そのため学校での教育を受け怪我を未然に防ぐ立場でありながら、逆に怪我を助長、もしくは大切な選手に実際に怪我をさせています。
怪我が起こるということは選手の問題を理解していないと言っているようなもんです。

では、実際にこのR&Rの考え方をどう使っていけばいいのでしょうか?

例えば、腕が完全に上がらない、もしくは代償運動ありでしか上がらない場合は、腕を上げた状態になる種目(スナッチ、ミリタリー・プレス・ジャーク)などは肩の可動性・安定性が上がるまで控えておきます。

その可動性・安定性を上げている間に腕が肩の高さまでにしか来ないような種目をしておけばいいわけです。
例としてはデッドリフト、フロント・スクアット、ブルガリアンスクアット、腕立て伏せ、クリーン、ケトルベル・スウィングなど腕を頭の上に上げなくてもパフォーマンスアップに使える種目はたくさんあります。
デッドリフトは肩の安定性を上げるのに非常に種目です。

そして、腕がしっかりと上がるようになってからミリタリープレスなど腕をあげる状態になる種目をさせればいいわけです。

ここまで読んだ人はもうわかると思いますが、このプロセスは時間との戦いです。
シーズンは待ってくれません。
でも怪我をするわけにはいかない、シーズン間近になればなおさらです。
でもパフォーマンスアップのためにどうしてもミリタリープレス、そしてスナッチやジャークを入れたい。
ならば、その場での思いつきでトレーニングを決めるのではなく、しっかりと科学に基づいたシステマティックなトレーニングプログラムを事前に考えていく必要があります。
もちろん日々の修正は必要になってきますが、事前にある程度決めておくのと、行き当たりばったりでは差は歴然です。

多分、ここまで読んだ人はファンクショナルトレーニングと今までのストレングストレーニングの違いや共通点が見えたと思います。大切な選手の体です、怪我を最低限に抑えてシーズンを迎えましょう!

***********************************************************************
筆者:
佐々木優一
☆MS.,ATC.,LAT., NASM-PES。BOC認定アスレティックトレーナー(ATC)。
アメリカで活動を行っており、テネシー州Lee Universityの野球チームをメインに
幅広く学生アスリートの怪我の予防プログロムの作成やリハビリなどを担当。
➣詳しいプロフィールはこちら;
https://performancerestoration.wordpress.com/profile/
***********************************************************************

  • 投稿者:佐々木優一BOC認定トレーナ

【新着】関連記事

この記事を見た人はこんな記事も見てます。

  • パウエル 100m今季世界最高

    パウエル 100m今季世界最高

     陸上のジャマイカ国際招待は9日、キングストンで行われ、...

    2015年05月12日

  • ボルト、ジャマイカ選手権へ

    ボルト、ジャマイカ選手権へ

    陸上男子のウサイン・ボルトと女子のシェリーアン・フレーザ...

    2015年06月24日

  • 羽生 順調に回復

    羽生 順調に回復

    フィギュアスケート男子でソチ冬季五輪金メダリスト...

    2015年02月12日

  • プレイバック日本記録200m

    プレイバック日本記録200m

    今日は女子200mの日本記録を紹介していきます。100m...

    2015年06月20日

  • スパイダーマンキャッチ!

    スパイダーマンキャッチ!

     ブルージェイズのケビン・ピラー外野手(26)が15日の...

    2015年04月16日

  • レジェンド達が現場に続々と

    レジェンド達が現場に続々と

    阪神の来季の作戦兼バッテリーコーチに球団OBで黄金期を支...

    2015年10月28日

  • 末續選手が未来のオリンピアンを発掘

    末續選手が未来のオリンピアンを発掘

    末續慎吾選手(35、パリ世界陸上200m銅メダル)が、N...

    2015年09月29日

  • 錦織 バルセロナOP 8強入り

    錦織 バルセロナOP 8強入り

  • イチローのストレッチに乱入!

    イチローのストレッチに乱入!

  • 藤光 200m日本歴代2位!

    藤光 200m日本歴代2位!

  • あなたもオリンピック選手に!?

    あなたもオリンピック選手に!?

  • 競技人口はサッカーに次ぐ世界第2位!今、クリケットが熱い!

    競技人口はサッカーに次ぐ世界第2位!今、クリケットが熱い!

  • 毎日更新!!スポーツ雑学⑨

    毎日更新!!スポーツ雑学⑨

  • 毎日更新‼︎スポーツ雑学14

    毎日更新‼︎スポーツ雑学14

  • カシージャス レアルに別れ

    カシージャス レアルに別れ

  • 【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性

    【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性

  • 武藤、連休明けにも結論出るか

    武藤、連休明けにも結論出るか

  • カズ、張本発言に感謝

    カズ、張本発言に感謝

  • スパイダーマンキャッチ!

    スパイダーマンキャッチ!

  • アロンソとバトンが来日

    アロンソとバトンが来日

  • 日本代表の愛称と競技が一致しますか!?日本代表愛称を紹介~球技編~

    日本代表の愛称と競技が一致しますか!?日本代表愛称を紹介~球技編~

  • 【リオ五輪】 日本初の快挙! 卓球で水谷が悲願の銅メダル!

    【リオ五輪】 日本初の快挙! 卓球で水谷が悲願の銅メダル!

  • プレイバック日本記録200m

    プレイバック日本記録200m

Category New/カテゴリー新着情報

トレーニング
  • 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー
    【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー
    「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細
  • 【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)
    【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)
    アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細
  • 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細
  • 【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細
陸上競技
  • 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細
  • 【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細
  • 【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意
    【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意
    クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細
  • 【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集
    【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集
    オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細
ケガ・ストレッチ
  • 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】
    下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細
  • 下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】
    下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細
  • 下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】
    下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細
  • 【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識
    【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識
    蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細
サッカー
  • エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
    エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
    先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細
  • 【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング
    【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング
    2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細
  • 【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング
    【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング
    欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細
  • 【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】
    【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】
    5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細
栄養・食事
  • 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点
    【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点
    クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細
  • 【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】
    【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】
    色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細
  • 【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能
    【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能
    お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細
  • 【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」
    【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」
    普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細
野球
  • 【肩甲骨に効果大!!】前田健太投手が行うマエケン体操をやってみよう!
    【肩甲骨に効果大!!】前田健太投手が行うマエケン体操をやってみよう!
    ドジャースの前田健太投手が行っている「マエケン...詳細
  • 【肩甲骨が動かないと肩に負担!】野球の調査で分かった肩甲骨とその周辺筋の重要性
    【肩甲骨が動かないと肩に負担!】野球の調査で分かった肩甲骨とその周辺筋の重要性
    肩を痛める選手と肘を痛める選手の違い 同...詳細
  • 「投げる」動作中、肩の内部では何が起こっているのか?
    「投げる」動作中、肩の内部では何が起こっているのか?
    野球のみならず人間の一般的な動作に含まれる「投...詳細
  • 【ヤクルトスワローズ】秋季キャンプのトレーニング
    【ヤクルトスワローズ】秋季キャンプのトレーニング
    体力向上をメインとした「サーキットトレーニング...詳細
コラム
  • 箱根駅伝の区間賞の10人中7人が履いていたシューズ!!
    箱根駅伝の区間賞の10人中7人が履いていたシューズ!!
    今回も箱根駅伝大盛り上がりでしたね。 そんな選手達の頑張りを支える、あるアイテムがあったんです。 それは「NIKE Zoom Vaporfly 4% Flyknit」というランニングシューズです。...詳細
  • 【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性
    【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性
    毎日の歯磨き。皆さんはしっかりケアしていますか? 今回はスポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性をお伝えしたいと思います。 【歯は再生しない!】  スポーツ選手が筋肉痛やケガをした時に、...詳細
  • 【トレーニングに必須の知識!】最大筋力を高める4つの方法
    【トレーニングに必須の知識!】最大筋力を高める4つの方法
    瞬発系の種目を行っている選手には欠かせない最大筋力を高めるトレーニング。 最大筋力の発揮には、フリーウエイトでのトレーニングを組んでいる選手が多いかと思いますが、その中でも皆さんはどのような方法...詳細
  • 【海外大学が証明!】目標達成率が劇的に上がる、3つの事前準備とは②「行動可能性」
    【海外大学が証明!】目標達成率が劇的に上がる、3つの事前準備とは②「行動可能性」
    目標達成率をあげるMACの法則【前回の続き】について書いていきたいと思います。 前回のおさらい:【MACの法則とは何か?】 MACの法則とは、アイントホーヘン大学がメタ分析によって証明した、目...詳細

Category/カテゴリー

Sponsor/スポンサー

COPYRIGHT (C) SPORTS CROWD All Rights Reserved