世界最速は誰の手に!?
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者
世界最速は誰の手に!?
世界陸上3日目 遂に世界最速の男が決まりました!
勝ったのはウサイン・ボルト選手!向かい風0.5mで9.79!ガトリン選手との手に汗握る大接戦でした。
去年からウサイン・ボルト選手の調子も下降気味で、記録も低迷していました。
その時に負け無しだったのがジャスティン・ガトリン選手です。
毎試合安定した走りで、強さを見せてくれていました。
さすがにボルト選手も今回は負けてしまうのかなぁと思っていました。
しかし、準決勝の2人の走りを見てボルト選手とガトリン選手、もしかしたら力は均衡しているのかなと感じました。
その理由について少し書いていきたいと思います。
準決勝 まず登場したのはボルト選手。
ここで100mでは致命的なミスをボルト選手はしてしまいます。4歩目で前傾をかけすぎてつまづいてしまいます。
100mを走る上で加速区間で減速があると、中間疾走に入った時に自分のトップスピードまで上げる事が出来なくなります。減速があった箇所から、また加速区間を作り直す事が出来れば話しは別ですが、ましてや世界陸上の準決勝ですので、そこまでの余裕は無いです。
もちろんボルト選手も焦って身体を起こし、肩から上に力が入ってしまいます。そうなれば全身に力が入り、100m走る上では最悪な状況です。
しかしボルト選手は全員を抜き去って9.96 それも向かい風0.4m。
ガトリン選手はいつも通りのレースパターンです。
持ち前の無駄の無いスタートから中間疾走に完全に入るまで17歩前後あり、中間疾走にスムーズに移行。中間疾走に入ってから肘と膝の動きが連動し一段階ギアが上がり、そのまま乱れる事なくゴール。タイムも追い風0.9mで9.77。
タイム差は0.2秒ほどありますが、風と上に書いた2人の走りの内容を比べると、さほど力の差は無いのかなと僕は感じました。
決勝では、ボルト選 が1歩目を後ろに引きすぎて2歩目を身体のかなり前に接地し、一瞬バランスを崩しますが、準決勝ほど乱さず姿勢と足の軌道を立て直し、加速態勢に素早く修正。ここが見事でした。
一方ガトリン選手の走りには焦りが見えました。準決勝17歩前後かけていた加速区間が、3歩ほど少ない14歩ぐらいで中間疾走に入ってしまいます。
中間疾走はほぼ差が無いまま進んでいきますが、ラスト30mでガトリン選手の上体が前に被さり、前の動きが小さくなり、後ろに大きく円を描くような軌道になってしまい、そこで勝負ありでした。
今日の時点では実力はほぼ同じでした。決勝では2人ともミスはあったと思います。
勝敗を分けたのは自分の走りを保つメンタルでした。2人とも会心のレースとは言えないですが、冷静に自分がしたミスを冷静に修正したボルト選手が一枚上手でしたね。
改めて100mの怖さを感じたレースになりました。
《男子100決勝》
1ボルト 9.79
2ガトリン 9.80
3ブロメル 9.92
3ドグラス 9.92
5ロジャース 9.94
6タイソンゲイ10.00
7パウエル 10.00
8ビコ 10.00
9蘇 炳添 10.06
[映像は「World Athletics Championships 2015」様の作品です]
筆者
窪田望都(くぼたもと)
*陸上競技選手(100m:10秒46)
国士舘大学出身。大学時代は4×100mR、1走のエキスパートとして日本選手権リレー3位に貢献。
投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
内田、ロナウドを止められるか
チャンピオンズリーグが約2カ月の中がんを経て、17日に開...
2015年02月17日
-
身体の冷え解消に!夏だからこそやってほしい足湯
夏になると、冷房の効いた場所にいること、冷たい食べ物や飲...
2016年07月11日
-
日本選手権男子200予選
26日 男子200mの予選の結果です。 1組 +0.6...
2015年06月26日
-
ボルト、サッカーへの転向は断念
陸上100・200mなどの世界記録保持者のウサイン・ボル...
2015年02月15日
-
世陸へ向け、ガトリン来日
陸上男子短距離、アメリカ代表のジャスティン・ガトリンが1...
2015年08月12日
-
レアル16強進出!
▽欧州CL 1次リーグA組 R・マドリード1-0パリSG...
2015年11月05日
-
歴代No.1選手は誰?
あなたにとって歴代スポーツ選手No.1は誰でしょうか? ...
2015年03月11日
-
41歳イチロー特権カート移動
-
女子マイルはアンカー勝負!!
-
サンフレッチェ初のベスト4をかけ、アフリカ王者と激闘!
-
【動画】山縣亮太今季初戦!100mと200mに出場
-
ハリル新監督の哲学は“速攻”
-
NBA.ナッシュ、現役引退
-
織田記念200m予選
-
衛藤、アジア制す!
-
中距離女王ディババが1600mで室内世界新!
-
【ボルト越えの史上最年少記録!】18歳サニブラウンが200mで決勝進出!![動画・解説]
-
田中 開幕投手大役果たせず
-
室伏 リオ五輪に挑戦かは年明け判断
-
4×200mR 世界記録映像
-
鳥肌確実!諦めない心が生んだ奇跡のスーパープレイ
-
ハリルJP初練習で意外な・・・
-
[実学対抗]400mH松下世界へ
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球