桐生選手はなぜ速い?
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投稿者:編集部スポーツクラウド
桐生選手はなぜ速い?
【筆者】
荒川優、100mの記録は10.5、ニュージーランドオープン2位、現大学コーチ
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先日アメリカで行われて大会にて、桐生選手(東洋大新2年)が9秒87で走りました。
追い風参考とはいえ、日本人初の9秒台でした。
今回は、私の目から見る桐生選手の速さの秘密を分析していきたいと思います。
私の考える特徴は次の三つです。
【日本人ではとびぬけたエンジン量】
これまで日本人は国際大会だと、どうしても体格で見劣りしてしまいました。
私も一度だけ彼らと並んで走ったことがありますが、走る前から体格で圧倒されました。
このように体格や筋量で劣る日本人は、エンジンが小さいため馬力が出せず、技術で補うしかありませんでした。
そんな中で、桐生選手は並んでも見劣りしない下半身を備えています。
もちろん技術も素晴らしいのですが、しっかりと足腰をウエイトトレーニングで鍛えたことによって、日本人離れしたエンジンを有することができたといえます。
【腱の強さ】
まず彼の走りを見て最初に感じたのは「あの接地でよくブレーキをかけずに走れるな・・・」ということでした。
動画を見てみると、他選手に比べ、桐生選手は重心よりも少し前に接地している印象を受けます。
普通の選手であれば、このような接地をすると、アキレス腱や膝の腱で力を緩衝してしまいブレーキがかかってしまいます。
一方で桐生選手は、前接地にもかかわらずアキレス腱や膝の角度を変えずに離地までいっています。
動画では、20m~40mの加速期に大きく前に出ましたが、それを可能にしているのもこの腱の強さであるといえます。
【乗り込みのうまさ】
前接地であってもブレーキがかからないもう一つの理由が、乗り込みのうまさだと考えます。
スローで見てみると、桐生選手は接地の瞬間に腕を中心として体をひねるような動きを入れています。
これは上半身をうまく使うことで、接地後にスムーズに腰がのっかることを可能にしているのだと思います。
私はこれを3次元的連動と呼んでいます。
風が強い中でもこれができたのは、日頃かなり高い精度でこの動きを練習してきたことを意味します。
あくまで個人的な見解でしたが、皆様の参考になれば幸いです。
投稿者:編集部スポーツクラウド
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