【箱根ランナーに学ぶ】速く楽に走るための3つのコツ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
【箱根ランナーに学ぶ】速く楽に走るための3つのコツ
先日行われた2017年箱根駅伝では、青山学院大学が見事3連覇を達成しました。
走り込みだけでは箱根ランナーにはなれません。
その背後では、科学的な体の効率的使い方を突き詰めています。
箱根ランナーの走りを見ながら、速くかつ楽に走るためのヒントを見つけてみましょう。
速く楽に走るためにヒントはすべてのスポーツで生きてくるはずです。
今回のモデルは、箱根駅伝(2010年)の5区で区間3位となった中央大学3年の大石港与選手です。
5区といえば山登り区間であり、強く印象に残っている方も多いはずです。
①膝下の脱力
~15秒までを膝下に着目して見てみましょう。
足が後ろから戻ってきて接地するまでを見てみると、足が少ししなっているように見えるはずです。
これは膝から下のふくらはぎや足首が適度に脱力していることを意味します。
サッカーやラグビー、陸上でも短距離選手でこの一瞬の脱力ができず躍動感や伸びのない走りをしている方は多くいます。
心当たりのある方は、足が空中にあるときは膝下の力を抜くことを意識してみてもいいかもしれません。
②接地の瞬間に固める
脱力の話をしましたが、そのままで接地するとベタっとした接地になり、足首がぶれ力が逃げてしまいます。
大石選手は空中では脱力していますが、接地では全く足首に動揺が見られません。
これは、接地の瞬間で足首を固めて力が逃げないようにしているからです。
陸上ではよくジャンプトレーニングでこの練習を行います。
膝を伸ばしたままで、その場で連続ジャンプしてみましょう。
しばらく行ったら接地の瞬間に足首をロックしてみましょう。
ロックが理解できない方は最初はロック=足首を背屈(つま先を反らせる)でも大丈夫です。
うまくできれば足首を瞬間的に固めるとうまく弾む感じが出るはずです。
③離地で力を逃がさない
32秒~を見てください。
足が地面から離れるときに、足がまっすぐ離れているのが分かると思います。
この当たり前そうに見える動きですが、実はほとんどの人ができていません。
なぜなら骨格上股関節伸展(足が後ろに行く動き)では、股関節が開き膝とつま先が外を向きやすいからです。
いわゆるガニマタです。
ただしこれを、つま先だけをまっすぐ向けようとしたり、膝を内に入れることで改善しようとすると怪我の恐れがあり危険です。
大事なのは、股関節が伸展するときに股関節が外に開かないように抑えてあげることです。
これは歩きから意識できるので、足がまっすぐ離地するように股関節の使い方に意識を向けてみましょう。
今回紹介したのは、あくまで一部ですがどの競技や速度にも共通する重要な要素です。
箱根ランナーの長所を取り入れて、どんどんレベルアップしていきましょう!
この動画は「BODYDESIGNPLANNING」様の作品です。
***********************************************
筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆プロスプリントコーチ(100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。スプリントコーチとして大学や子供たちの指導、メディアなどで活動。
オリンピック選手や格闘技世界チャンピオン、Jリーガーなど、種目を超えてトップ選手のコーチも担っている。
出演:NHK「テレビスポーツ教室」など多数。
***********************************************
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
ボルト プールトレーニング
ウサインボルト選手のプールトレーニングの様子です!! ...
2015年03月20日
-
坂道ハードル
坂道を利用したハードル練習です。 動画ではインターバル...
2015年02月17日
-
世界的スプリンター、ガトリンのベンチプレス
今回は2014年に撮影された、ガトリン選手のベンチプレス...
2016年01月16日
-
動画で振り返る”なんば走法”
世界陸上2003年フランス、パリ大会の男子200m決勝・...
2015年03月18日
-
これが日本代表のコーナーリング!3走のプロに学ぶ!
北京五輪4×100mリレー銅メダリスト、陸上男子200m...
2016年06月01日
-
スプリント ピッチトレーニング
走る速さ=ストライド(歩幅)×ピッチ(足の回転数)です。...
2015年04月30日
-
鉄棒で体幹トレーニング25種目
今回は、鉄棒での体幹トレーニングを25種目紹介します。 ...
2015年09月13日
-
スタート 蹴る方向の確認練習法
-
【陸上 100m】山縣選手のストレッチポールを利用した体幹トレ
-
【スプリント強化に】上り坂でのスピードスキップトレーニング
-
リオでマラソン銅、1万m5位のゲーレン・ラップ選手(アメリカ)のウォーミングアップ!
-
【短距離選手向け】速く走るためのスプリントドリル『スキップ』
-
階段ダッシュの効果とは?
-
スプリント走 ミニハードル 1.5m間隔
-
パウエル スタート1歩目スロー映像
-
ボルトのダッシュ練習と解説
-
下り坂で重心移動をマスター
-
冬季トレーニング〜スネーク走〜
-
【下半身の最大筋力UP!】片足ホッピング
-
200mで世界新宣言!ボルト “パフォーマンス歴代ベスト10”を見てみよう!
-
【名門コニカミノルタ式その②】下半身トレーニング
-
【走りの技術&フィジカルの強化】階段ダッシュの効果とポイントについて
-
坂ダッシュをしてみよう!たくさんのコツがつかめる練習!
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球